我らは野良猫である

人生の中で出会うなにか

不安を乗り越えたら拘束時間が12時間?!

拘束時間が12時間はきつい

8時間労働への不安が強くて、それの不安だけで潰れそうだった。

しかし、現実的な不安なら、乗り越えることでしか前には進めない。

恐ろしい不安から一歩を踏み出せた。

 

新しいシフトで働き始めたら、拘束時間が12時間にもなっている。

時間オーバーは、想定していたことではあったが、まさかアパートを午前11時に出て、帰宅が23時すぎになるとまでは想定していなかった。

実際の労働時間は10時間と少し。

もちろん、残業手当などつかないサービス残業だ。

サービス残業なら、サービスとしての残業で役に立っているが、私の場合は、慣れないから遅くなっているだけでしかない。

強制はされていないが、やるべき業務が終わらない限り帰ることができないから強制労働のような気分になる。

 

過酷すぎて、何が楽しいのかはわからないけど、楽しいと感じていた感情は消え、笑顔を信念にしていたのに、笑顔も消えている。

疲れから眠くて集中できない、早くやらなければと焦る、焦るからやるべき事がわかっていることに対しても混乱して、何をやったらいいのかわからなくなる。

 

緊張しているか、睡眠に変化が起こり、短時間で何度か目が覚め、睡眠時間も短い状態が続いている。

帰宅してからの食事が受け付けなくて食べられない。

休みの日も疲れていて眠りたいのに眠れない。

私の心と体は大丈夫なのだろうかと心配になる。

 

小さな進歩と周りに助けられて

出来そうだからすぐに慣れるのではないかと勝手な判断をしていたリーダーにもう3週間以上にも渡って、一貫として同じことを伝え続けている。

 

過去には経験があったが、その経験は今となっては過去のことで長いブランクになってしまっている。

この施設で働くようになって8ヶ月になるが、ここでは排泄介助もトータルで20回もやっていない、早くやれるようになるには数をこなす必要があり、数日で早くできるようになるのは無理なことである。

 

口腔ケアも「誰が、何を使い、どのように」やっているのかさえ知らない。

それらを覚えることから始まるのだから、全員分のやるべきことの順序立てを考えられるようになるにも日数がかかる。

だから、時間内で終わらせられるようになるには、他の職員より日数がかかってしまうことを理解してほしいと。

 

言葉は違うが、ほぼ同じ内容で伝え続け、少しは理解してもらえたと思っている。

たったこれだけのことを、最近ではイメージとしてはガミガミと言うような口調で伝えていた。

たったこれだけのことを理解しないリーダーに苛立ちを覚えたこともあった。

 

しかし、リーダーの理解なくして、他の職員の理解は望めない。

他の職員は、いつまでも時間オーバーしている私に何を感じ、何を思うのか。

私はどう思われてもいいが、相手側にしてみるとストレスや不満などの負担に繋がってしまう恐れに、私なりに配慮しているつもりなのだが、この配慮に正解はないであろう。

勿論、私自身を守る意味も含めている。

 

人前で、ガミガミと伝え続けていたからなのか、自然とそうなったのかはわからないが、周りの職員たちは、優しい気持ちを向けてくれる。

 

「自分も最初は時間がかかって大変だったよ」とか「時間がかかって苦労している時に、こんな風に話をしてもらい励まされて頑張ったよ」など、自分の最初の頃の体験を思い返しながら言葉をかけてくれる。

それらの言葉が、本心からの言葉であることが伝わってくるからこそ、心に響いてきて有り難く思う。

 

今の施設は、対人関係の悩みがないことが一番の理由で働いてきた。

そんな職場だからこそ、向けてもらえた優しさなのかもしれない。

 

遅番勤務5日目にして、少しだけ早くできるようになった。

少しだけ早くなったことで、少しだけ余分なケアをしてしまう。

ある利用者さんのオムツが私が知っている限りでも便が付着したまま4日間も使っている。

オムツにパットを当ててパットだけを交換するから、オムツはオムツカバーの状態。

しかし、パットが尿や便で蒸れているわけだから、オムツ内も当然蒸れている。

便がほんの少し付着してるだけで、使えないことはないが、蒸れから臭う。

しかも4日間以上経っているから、オムツもクタクタで臭う。

かなり弱っている方なので、もし救急搬送にでもなったとしたら、どんなケアされているのか、と思われ兼ねないとちょっぴり思ったりもした。

きれいなオムツに交換しすっきり。

 

他の利用者さんでは、下着の後ろと前が反対になっていて、本人が平気でも見ている方は首が苦しそう。

何日も気になっていたけど、余裕がなくて直してあげられなくていたので、直してあげることができた。

行事があって入浴が中止になったので、本当は下着ごと着替えてあげたかったけど、後ろと前が反対でも誰も直さないのに、着替えまでさせるとさすがに目立つかなと思い直すだけにしておいた。

この方、体が硬くて更衣が大変。

他の職員が直さなくても仕方がないとも言えるが、見て見ぬふりは私の気持ちに反する。

 

少しだけ早くなったことで、僅かだけど私らしいケアを入れて、15分早く帰れた。

5分〜10分単位で時間を縮めていくしかないと思っている。

焦って早さだけに心がいってしまうとミスは起こる。

今も早く早く、と気持ちは焦るが、とにかく安全を優先するのだと強く自分に言い聞かせている。

 

15分間の進歩でしかないが、進歩したことに変わりはない。