堕落した生活を選択
挫折した中で
仕事を辞めてから、何が辛いのかわからないけど、ただただ辛かった。
お風呂も入らない、食事は適当にしか食べない、昼夜逆転して寝て過ごす。
そんな日々の中で、中学3年の息子に、自分の辛い毎日の心境を長々と伝えた。
そして、こう付け加えた。
「お母さんは、もう本当に立ち直れないから、堕落した生活を選択してもう頑張る気持ちには戻れない」と。
息子は、
「何で?」と質問してきた。
だから私は、
「何で?」と聞き返した。
息子は、
「お母さんは、選択と言う言葉を使っている。選択しているってことは、自分で決めているってことだから、何故なのかを聞いた」
これを聞いて、大笑いしてしまった。
賢い。
見抜かれないように話したはずなのに「選択」と言う言葉一つから見抜かれた。
この会話は、私の悩みなど吹っ飛ばすほど、面白かった。
賢さに関心した。
そう、私は自分で堕落した生活を選択して、暫くは身を守ることに集中するためだった。
傷つき立ち直れない私は、生活を考え経済的なことで焦りを感じる。暫くは生活には困らないけど、高校入学時にはお金が必要になってくる。
今は働けない状態、焦りや不安、来年にはお金が必要になる事実。
これからは、分けて考える必要がある。
周りは「今は休んで」と簡単に言うけど、お金が必要になる事実に対しては、誰もお金をくれないし、寝て待っていても湧いてこない。
思考力を残せば、焦りや不安に襲われるし、そんな状態で働いたって上手くいかない可能性しかない。
堕落した生活をすることで、思考力を落とし、心身共に休み、力を貯めようと考えた。
息子に話をした内容を、試しに娘にしてみた。
「選択」という言葉に気が付かず、素直に受け取っている様子にネタばらし的に、娘には弟になる息子とのエピソードを話した。
娘は
「あぁ、気が付かなかった。さすが賢い弟だ」とちょっと悔しそうに笑っていた。
探せは、ちょっとしたことでも、良いことはあるものだと思う。
ただ、この「選択という言葉」でのエピソードは、大笑いしたほどだったから、大きな救いになった。
こんな賢い息子だからこそ、応援したくて元気が自然と出てくる。
でも、今はまだ堕落していようと思う。
昼夜逆転した生活では、夜から朝への夜明けの美しさを見れる。
そこには、澄んだ空気が流れる。
太陽が登り始め、明るい光を見るときに、希望を感じる。
そして、私は眠りにつく。
今は、こうして、そっとそっと力を貯めている。